003-オバマ大統領にもおすすめしたいヒロシマの本
オバマ大統領が広島を訪れる、というニュースをテレビでみました。
広島という街は知っていても、日本人であっても「ヒロシマ」のことを語ることができる人は少ないのでは?と思います。私のその一人。
図書館に「はだしのゲン」を置くかどうかも少し前に話題になりましたよね。今はもう、私たちが子供のときよりもずっと、原爆から遠くなってしまったのかもしれません。オバマさんが来てくれることよりも、理解を望むよりも、まずは私たちがちゃんと説明できる大人にならないと、と思います。
大人も子供も読んでほしいマンガがあります。
「夕凪の街 桜の国」という作品。
広島のある日本のあるこの世界を愛するすべての人へ
「夕凪の街 桜の国」の冒頭にある言葉です。
戦後10年、戦後60年。ひとつの家族に光を当て、年ごろの女性の目線でヒロシマを語ります。
夕凪の街
戦後日本が少しずつ復興し、ひたむきに生きていく時代。しあわせになりたいと思い、自分だけしあわせになっていいのか悩む。そんなときに・・・。
桜の国
戦後60年。平成の話です。被爆二世として生まれ、弟は喘息持ちだけどそれは原爆のせいなのかわからない。結婚を考えるとき、二世であることは障害になるのか?
この本には幸せになってほしい人が何人もでてきます。一緒にしあわせになろうと言ってくれる人も出てきます。私たちの知っている(ような気がする)等身大の日常を描いていて、その中で傷を抱えながらも明るく生きている。そんな切り口で描くヒロシマの話って今までなかったですよね?
街が焼けるとこんなふうになる。人もやけどしたらこうなる。後遺症で苦しむ。今ある原爆はもっともっと威力がある。原爆っていけないこと。
そんなふうに習いませんでしたか?
痛くて目をそむけたくなる。昔学校で見た写真は、いまでも思い出せるくらい衝撃的でした。だからなのか、私も「はだしのゲン」はもう読めません。
学校では、亡くなった人の「数」を教えてくれます。でも、みんな今の私たちと同じ「人」で、毎日一生懸命生きていたわけです。被爆しても、自分よりも重症な人の面倒をみて、自分も頑張って生きようとしていたわけです。なんとか生き延びた!と思っても、後から後から追いかけてくるのが原爆。見えなくてしつこい。
「うちはもう知った人が原爆で死ぬんは見とうないよ」
戦後何十年も経って、おかあさんが言う言葉です。
まず大人が読んで、それからお子さんにも読んでほしい作品です。一度じゃなくて、3回くらい読むとじわーっとよさがわかる作品。
映画もあります。
原爆資料館も変化の時代
中学生のとき、学校で広島の原爆資料館に行きました。大人になってもう一度行ったのでその記憶とごちゃごちゃですが、当時の様子をいろいろ再現していたり、焼け残った服や、焼け付いた影が心に残っています。
遺族も高齢化が進んでいて、形見に持っていた遺品をどうしていくか悩む時代になっているそうです。自分の子供に残すのも、捨てるのも、ということになったら、資料館に寄贈してほしいと呼びかけているようです。
寄贈された遺品は、お名前、何歳のときに、何をしているときにどこで被爆したかといった(物としてだけでなくて)使っていた人が見えるような展示にしていくと、以前にみたTVでやってました。記憶が微妙に違ったらごめんなさい。
今東館を改装していてその後本館を改装し、2018年に全面リニューアルオープンとのこと。
リニューアルしたら一度訪れたいです。
暑い8月がくると、TVで式典をしているのをみて「原爆の日」を感じるくらいになりました。最近の子供はどうなんだろう。いい年した私でさえこれなんだから、と思います。
少し話題になった本ですが、まだ読んだことないよーという方に、ぜひおすすめしたいです。気に入ったらお子さんにも読ませてあげてください。マンガですよマンガ。
私の好きなもの100個の003は「夕凪の街 桜の国」でした。